Lubricant Expo 2023: 持続可能性に向け変化する業界
ドイツのエッセンで開催されたLubricant Expo 2023は、潤滑油業界向け展示会として2年連続で開催されています。潤滑剤に携わる専門家が一堂を会する場として、意見を交換し、業界の現状について考察する格好の機会となっています。本記事では、今年の展示会での、いくつかの特徴的なトレンドと注目のトピックスをご紹介します。
サステナビリティが主要な焦点に
Lubricant Expo 2023の包括的テーマはサステナビリティでした。多種多様な持続可能な原料供給源から、循環型材料フローを可能にする技術に至るまで、この展示会では環境問題に取り組む業界のコミットメントが感じられました。サステナビリティは今や、規制上の要件に加え、供給の安全性、パフォーマンス、環境への影響などの懸念事項によっても牽引される、業界の最重要課題となっています。
パーストープチームは、異なる持続可能性の選択肢に対する業界のオープンな姿勢を高く評価しています。将来のビジョンとして、最終用途の特定要件に応じて、マスバランスに則った100%バイオベースまたは再精製された原料を利用することを目指しています。原料に対するこの中立的な視点は、潤滑剤業界にとってより持続可能な未来に向けた重要な一歩となります。
マーケティング的主張から科学的データへ
Lubricant Expo 2023で注目すべき点の1つは、持続可能な原料に対する認識の変化でした。これまでは、多くの企業がマーケティング上の主張に依存し、製品の持続可能性について「単一の真実」を提示することが少なくありませんでした。しかし、今年のイベントでは、データと信頼性のある主張に裏付けられた、より科学的根拠に基づいたサステナビリティの視点へと大きな変化が見られました。
パーストープチームは、業界がマーケティングの美辞麗句にとらわれず、より裏付けのある持続可能性を採用する方向に進んできていることに気付きました。この変化は、開催期間中における出展社や来場者との対話、およびパネルディスカッションで行われた議論において明らかでした。
パーストープのサステナビリティへのアプローチ
パーストープは、サステナビリティを事業の要として、業界に先駆けて取り組んでいます。当社は、いくつかの理由から追跡可能なマスバランスとISCC Plus認証を適用することを選びました。その理由のひとつは、このアプローチは製品の品質、性能、および規制の遵守を担保することです。第二に、これはパリ協定に沿った持続可能性へのコミットメントを支援し、ビジネスの継続を可能にします。
追跡可能なマスバランスとISCC Plus認証を適用するという決定は、戦略的です。これは、スコープ3排出量を追跡するための信頼性のある計算を提供するだけでなく、バリューチェーンの上流と下流の両方において、パーストープの持続可能性に対する主張は透明性があり、検証可能であることを保証します。
認証にとどまらず、パーストープは製品に対する化学的・物理的トレーサビリティの適用を提唱しています。物理的トレーサビリティとは、原料、生産現場、そして最終製品の間で実際に関連性があることを示しています。化学的トレーサビリティとは、特定の製品の製造に使用される実際の原料だけが、再生可能もしくはリサイクル原料に置き換えることができ、その結果、マスバランスに則って計上されることを意味します。
Lubricant Expo 2023は、持続可能な原料に対する業界の認識の変化を示す画期的なイベントでした。マーケティング的主張から科学的データと信頼性に基づいた主張へと変化したことは、潤滑油業界がより持続可能に対する責任を果たす重要な一歩です。パーストープの追跡可能なマスバランス、ISCC Plus認証、そして厳格なトレーサビリティへの取り組みは、マーケットがより環境に優しい未来に向けて進む業界にとって、一つの良い参考例となっています。アプリケーションに対するより広い視点と、持続可能性への確固たる焦点を持ちながら、潤滑剤業界は将来の変革的な成長とポジティブな変化に向けて進んでいます。