ペトロナスケミカルズによるパーストープ買収
持続可能性を重視する世界的なスペシャルティケミカル企業であるパーストープグループは、本日、ペトロナスケミカルズグループBHD(PCG)に買収されることを発表しました。PCGは、2022年5月14日、パーストープホールディングABの全株式を取得するための株式譲渡契約を締結したことを発表しました。欧州のプライベートエクイティファームであるPAI パートナーズ傘下のフィナンシエフォレS.à.r.lと契約を結びました。
パーストープの社長兼CEOであるJan Secherは、次のように述べています。「ペトロナスファミリーの一員となることを大変うれしく思います。将来の課題と機会に対応し、それぞれの事業を前進させる方法について、価値観と優先順位に強い共通性があると思います。PCGの強みであるアジア太平洋地域でのマーケットリーダーとしての地位を活用することで、パーストープは次の成長段階へと発展していけると確信しています。PCGの一員になることは、パーストープがイノベーションのペースを上げ、化学業界の最先端を行く持続可能な変革を加速させるための規模を手に入れることを意味します。」
「パーストープは、PCGにとって戦略的に非常に適した企業であり、塗料、コーティング、建設、プラスチック添加剤、パーソナルケア、食品・飼料・栄養など、堅調な成長見通しを持つ魅力的なエンドマーケットへの参入を可能にするものです。また、今回の買収により、より環境に優しく持続可能なソリューションを求める市場の緊急ニーズに対応するための重要な人材、ノウハウ、技術プラットフォーム、実績ある顧客チャネルを獲得することができます。」と、PCGのマネージングディレクター兼CEOであるIr. Mohd Yusri Mohamed Yusofは述べています。
パーストープは、140年以上前に設立されたニッチなスペシャルティケミカルのリーディングカンパニーで、樹脂・塗料、エンジニアード・フルイド、アニマルニュートリション市場に焦点を当て、持続可能なソリューションを開発しています。世界各地に販売拠点、欧州、米国、中国に7つの最新鋭の製造拠点(2023年にインドで8番目の工場が完成予定)、世界3カ所の研究開発センターを持ち、約1,500人の従業員が全世界で2,600以上の顧客にサービスを提供しています。パーストープは、製品の品質とアプリケーションの専門知識、供給の信頼性、顧客中心主義、環境対応製品とソリューションにおいて、顧客から高い評価を得ています。
「パーストープは、幅広い製品群と確立された顧客基盤、そして特定の化学品分野におけるマーケットリーダーであり、PCGと補完関係にあることから、魅力的な企業であると判断しました。パーストープをスペシャリティケミカル分野への成長基盤にすることが我々の意図するところです。環境と社会に積極的に貢献するというPCGの目標に沿った、環境への影響を低減するパーストープの総合的かつ革新的なアプローチにより、我々は共に循環型経済と2050年のカーボンニュートラルに向けた持続可能性の旅を加速させられると確信しています」と、Ir.Mod Yusriは締めくくりました。
「選ばれる化学会社」というビジョンを達成するために、基礎石油化学製品のポートフォリオを強化し、誘導体、スペシャルティケミカルとソリューションに選択的に多角化するという明確な戦略に基づいています。この戦略の実行において、パーストープグループの買収は、重要なスペシャルティケミカルのポートフォリオを構築し、PCGの全体的な収益を向上させるものです。今回の取引は、シリコーン、潤滑油添加剤、化学品の世界有数の独立系製造・配合メーカーであるBRBグループの2019年の買収に続くもので、PCGの長期的な成長意欲に沿った新たな分野への参入を実現しました。
「パーストープとPCGは、互いの能力から学び、両社の長所を顧客と従業員に提供することができると確信しています。PCGは、これから先パーストープのために最良のオーナーシップを提供してくれると確信しています」とJan Secherは締めくくりました。
この買収によりパーストープグループの企業価値は23億ユーロとなります。
この買収の完了は、関連する規制当局および株主の承認が条件となります。
詳細は、PCGのメディアリリースをご覧ください。
https://www.petronas.com/pcg/media/media-release